長寿医療制度による変更点
高齢者の医療費に関しては、これまで老人保健法による医療制度によって制定されていました。それが、2008年4月1日から長寿医療制度(後期高齢者医療制度)で定められた事項に従うということになりました。
では、具体的にはどこがどう変わったのでしょうか。
老人保健法による医療制度は、市町村が運営の主体を担ってきました。それに対し、今回の長寿医療制度(後期高齢者医療制度)においては、県内の市町村が加入する広域連合がそれを運営することになりました。独立した形となったわけです。
これまでは国民保険、健康保険組合などの健康保険に加入していることで医療費負担の軽減や保険料の免除が行われてきましたが、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の定める加入条件は国民保険、健康保険組合などの健康保険から脱退し、県の後期高齢者保険に加入しなければなりません。
しかし、この手続きに関しては不要です。自動的に脱退から加入という流れになっています。つまり75歳になったから、またはもう既に75歳以上だからということで、健康保険を自分で脱退し、改めて県の後期高齢者保険に加入するということをしなくても良いということです。
今回の長寿医療制度(後期高齢者医療制度)への移行の最大の変更点は、この独立にあります。保険料を支払わなくてよかった従来の制度から、保険料を支払う必要のある制度へと移行することが可能になったわけです。つまり、いきなり保険会社を別のところに変えさせられたようなものなのです。
長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の対象者
従来の高齢者医療の基準を定めていた老人保健法による医療制度では、対象者は75歳以上の高齢者、もしくは65歳以上で一定の障害を持っている方という定義がなされていました。これについては、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)でも同様となります。75歳以上、もしくは65歳以上で尚且つ一定以上の障害を抱えている方が対象となります。
ただし、対象となる日が変わります。これまでは、75歳の誕生日の翌月の1日が対象となる日でした。つまり、5月10日が誕生日の人は6月1日、8月2日が誕生日の人は9月1日、11月1日が誕生日の人は12月1日からが医療費軽減や保険料免除の対象となっていました。
しかし、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)では、75歳の誕生日の当日からが対象となります。つまり、5月10日が誕生日の人は5月10日、8月2日が誕生日の人は8月2日、11月1日が誕生日の人は11月1日からとなります。まだ75歳ではなく、今年以降に75歳を迎える方は、ぜひこれを覚えておいてください。
また、お医者さんに診て貰いにいった際に窓口で見せる物も変更されました。これまでは、お医者さんにいった際、その窓口で健康保険証と医療受給者証という二つの証明書を見せていました。それが、今後は後期高齢者の保険証のみという形になりました。よって、これからは窓口でこれまで持っていた健康保険証と医療受給者証ではなく、後期高齢者の保険証を見せなければなりません。気をつけるようにしてください。
長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の保険料
老人保健法による医療制度において、医療機関にかかった際の医療費の自己負担額は、通常1割、現役並みの所得者においては3割という基準が設けられていました。これは、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)でも変わりはありません。医療費負担額の割合は、1割ないし3割で固定です。
では、なぜ高齢者の負担が増していると報道されているのでしょうか。その要因は、保険料にあります。
老人保健法による医療制度、つまり従来の制度では、健康保険に加入している人に扶養されている高齢者の方については、保険料は免除となっていました。しかし、今回の長寿医療制度(後期高齢者医療制度)では、75歳以上もしくは65歳以上で一定以上の障害を持っている方は、健康保険から強制的に脱退させられまます。そして、県の後期高齢者保険に加入することになるので、これまでのような免除は受けられなくなりました。加入者全員が広域連合に対して保険料を支払わなければなりません。
加えて、年間18万円以上の年金需給を受けている方については、この年金から保険料が天引きされます。これが、4月1日以降世間を騒がしている原因です。4月から保険料が必要になるということを知らなかった人もたくさんいますし、高齢者の医療制度が変わるということ自体も知らない人は大勢いたようです。情報化社会が叫ばれて久しいですが、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の普及は中々うまくいっていないのが現状のようです。
後期高齢者の保険証って?
高齢者の医療に関する制定が老人保健法で定めた制度から長寿医療制度(後期高齢者医療制度)へ変更されたことで、健康保険に加入していた75歳以上もしくは一定以上の障害を持った65歳以上の高齢者は、健康保険から脱退しなくてはならなくなりました。
つまり、これまで持っていた健康保険の保険証は使えなくなるという事です。現在はまだ制度の切り替わりが上手くできていないこともあり、従来の保険証でも1割(所得が多い者は3割)負担という事になっていますが、将来的にはもう使えなくなってしまいます。
代わりに発行される保険証は、県後期高齢者医療広域連合によって発行される後期高齢者医療被保険者証になります。ただし、後期高齢者医療制度が長寿医療制度へと名前が変更されたので、今後長寿医療被保険者証という名称に変わるかもしれません。この保険証が、今後高齢者が病院に持って行き、窓口で見せる保険証となります。
これまでは健康保険証に加え、医療受給者証という証明書が必要でしたが、高齢者と健康保険加入者との明確な区分ができたことでその証明書は意味をなくし、今後は必要がなくなりました。2枚必要だったものが1枚で大丈夫になったということです。
しかし、この後期高齢者医療被保険者証が発行されているということを知らず、自分の元に届けられた新たな保険証を捨ててしまったという高齢者が現在急増しているようです。ちなみに再発行は、市役所の窓口で行われているようです。大抵の市町村には長寿医療制度(後期高齢者医療制度)専用の窓口が出来ていますので、そこで問い合わせれば大丈夫でしょう。
